「緊張をとる&集中力のひみつ」ワークショップに参加して-1

●後悔先に立たず

●神戸大に潜入

●とにかくやったことを列挙する

現在在籍中のアレクサンダーテクニーク講師養成校BODYCHANCEにて、このワークショップのことを知った。

最初はだいぶん躊躇していたけど、締め切りギリギリ(と思っていたが、これは私の勘違いで、実際には締め切り日を過ぎてた。主催者の方、すみません)についに決意を固めた。

もともと11/1午後に入っていたレッスン日を調節していただき(当該の生徒さんにはご迷惑かけました。すみません)、2日間のワークショップに申し込んだ。

腰が重く、出不精で人見知り。

そんな私がついに参加を思い立ったのには、2つのコスい理由がある。

1)今後、BODYCHANCEの単位認定のため、TBワークショップ(主にメンタルに関わること)を開く予定だが、そのネタになるかも。
2)大学開催なので、受講料がタダで受けられる。

とにかく「タダ」という言葉にウッカリ反応してしまうという点にかけては、関西ネイティブには負けていないと思う。

後悔先に立たず

ということで、申し込んだ後、慌てて講師の伊藤さんの本を読もうと試みた。
今回のワークショップは下の2冊の本が元になっている。

「緊張をとる」(略称「上巻」)
「集中力のひみつ」(略称「下巻」)

まずは10/22(月)、仕事帰りに紀伊國屋で在庫調べる。店頭には上巻の漫画版しかなく、とりあえずそれを最後までざっと立ち読みした。
取り寄せてるヒマはないかなと思い、下巻の在庫をhontで調べると、天王寺ハルカスのジュンク堂にあることが分かった。

とりあえず取り置きを頼んでおいたが、10/24(水)のグループレッスンに向かう電車の中で、この店に上巻の書籍版があることがわかり、その場で取り置き。帰りに立ち寄って、2冊まとめて購入。なんて便利な世の中になったもんだ。

上巻は漫画で見たので、まず下巻から読んでみた。

何よりこれらの本、読んでで面白い!

本文が「せりふとト書き」の台本みたいな形になってて(最初の1頁で「これは漫画化しやすいな」と思った)、上巻では先生役のバーのママと、生徒役の男と女先輩の会話が中心(+スーツ男)だったが、下巻では先生役の誠と、生徒役の二人で、さらに途中で生徒の一人が離脱して他の道に進んだり、上巻のママやスーツ男、得体のしれないおっちゃんたちなども絡んできて、次にどう展開するのかわくわくしながらストーリーを追ってしまった。

****

下巻を読み終わった後、上巻の書籍版を改めて読んでいる途中に、ワークショップ本番当日を迎える。
(本の方を買って良かったです。読むのが速いのは漫画の方だけど、書籍版の方が内容が充実してました)

しかし、会場の最寄り駅である六甲駅のホームから階段を上る頃には後悔でいっぱいになってしまった・・・。

ガチで演劇やってる学生の中に、ぽつんと素人のおばはんいる状態やったらサイアクや・・・。
コマネチとか鏡とかやらされるのイヤや・・・。
(コマネチはたけしのギャグのやつ(上巻180p)。恥ずかしいからイヤ)
(鏡は「クロス鏡」(下巻199p)。私にとっては非常に困難そうなワーク)

本を読んでる時は夢中だったけど、これを自分でやる、ということに考えが及ぶと、たちまち後ろ向きな気分になるのだ。
階段を上る足取りは重く、「まな板の鯉」という言葉が頭をよぎる。

しかし、大学へ向かう坂道を登りはじめると、歩くことに夢中になってきて、暗い気分もだんだん収まってきた。
やっぱり、身体を動かすって、気分転換に最適なんだなと思う。

神戸大に潜入

駅から歩いて行って、最初にたどり着くのは、農学部&文学部のキャンパス。まずはここで昼食を食べる。

スマホで調べ、外部の方が行ったと書いてたブログを参考に、農学部キャンパス内にある教職員用食堂へ。

「たきがわランチ」と「コーヒー」の食券を買って中に入る。

外部のもんが入ってきて見とがめられないかと、ちょっとビクビクしながら中に入ると、けっこう混んでて、ばれなさそうなことがわかりホッとした。

従業員のおばちゃんたちはバタバタと右往左往している。

神戸大学は高台にあるから、食堂の窓からは港町の絶景が広がっていた。

なかなかこないランチを待っているうち、人数も減ってきて、ゆとりがでてきたので、中座して、窓から見える景色をパチリ。

そして食後のコーヒーを飲みつつ、ゆったりとした気分で会場である鶴甲(つるこう? かっこう?)キャンパスをグーグルマップで検索。

すると、徒歩28分と表示されているではないか!

同じ大学内なのに、そんなにかかるの?!

しかも、この道は何度も迷ったところ。神戸大に行くのはこれで3回目だけど、1回目も2回目もここで迷った。

迷っている時間を含めると、間に合うかどうかギリギリのタイミング。

私は慌ててコーヒーを飲み干すと、食堂を飛び出した!

****

せめて道を間違えるのは避けようと、頻繁にスマホをチェックしながら慎重に歩を進める。

(でも一回間違えかけた)。

途中の一番エグい坂道。入り口部分。

すねと足の甲の角度はおそらく45度(個人の感想です)

途中で歩行者は坂道を諦め階段を登る設定に。

約30秒でこの標高差。

やや小走りに歩いたこともあり、実際にかかった時間は15分程だった。

とにかくやったことを列挙する

むかし読破した「ガラスの仮面」。

気に入らないと灰皿を投げるのは蜷川幸雄さんだったか・・・。

とにかく、演劇の世界ってなんか怖い印象がある。

なんとなくびくびくしながらそっと教室の扉を開けたら、BODYCHANCEの知った面々がいて、少しホッとした。

すでに到着していた講師の伊藤さんも、優しそうな感じ。

関西出身の方ということで、親しみがわいた。

大丈夫かな・・・? 期待と不安が交錯する。

女子が着替える部屋があったけど、私はめんどくさくて、「2日間着倒して洗濯するからいいや」と思ってそのままの服装で臨んだ。

ていうか、もう着いた時点で汗だくだったけど。

会場は4面の壁のうち向かい合った2面がガラス張りになっている広い部屋。

普段はダンスとかで使われているらしい。

こんなところで二胡を練習できたら気持ちいいだろうなあと心から思った。

参加者には見知った顔のBODYCHANCEの面々と、学生さん、もと学生さん、教員さんなど、いろんな方がいた。これから二日間、一緒にワークショップを体験する。

***

とにかく、二日間、2時~5時の間、あまりにもたくさんのワーク(本では「エクササイズ」と標記されていました)をやった。

休憩時間にはメモをとる時間もなく、汗を拭いて水分補給して、てな感じ。

だから、やったワークや、その順番、いやそれどころか一日目と二日目のどっちでやったかすら曖昧になってしまった。

その状態で、とりあえず思い出せる限り、二日間でやったワークを列挙する。

本にあるモノで私が見つけたものは、ページ数も記す。

《一日目にやったとおぼしきワーク》

「ワーッ」(上巻10p、図354p)暴れる。全身を使って大声を張り上げてむちゃくちゃに暴れる。手を叩いたり、足踏みならしたり、とんだりはねたり。(上巻p127やり過ぎるの応用?)

最初からコレよ。すごいよ。先生いわく「まずはいっちばん恥ずかしいことやったら心の壁が壊れるよ」。とても二胡のワークショップには使えないなあと思いつつ、みんな思いっきり暴れてるから、私もだんだん躊躇がとれて暴れてた。
最初は広々と感じた教室も、このワークが始まったとたん、なんか狭く感じてきた。
部屋の中には10人ちょっとしかいないのに、すごいパワーだと思う。

歌う。何を歌ってもイイ。歌詞も適当。途中で別の曲にかえてもいい→ちょっと歌い方を変えてみる。例えば小さな「っ」を入れて歌ってみる→途中いろんな指示がでて変わっていく。→歌詞でたらめで架空の歌を勝手にジブリッシュで歌う(上巻p153)。※ジブリッシュは後述。

超細分化。映画冒頭のナレーション原稿(ホンモノだって!)を素材に、その最初の単語をいろんな言い方で話してみる(上巻155p)。

いろんなやり方って、思いつくことには限界があるので、勝手にキャラ(ドラえもん、宝塚、通販、詐欺師、お姫様、等々)やシチュエーションを思いつく限りやってみる。

思い出す&独り言ワーク(上巻p160~167p、下巻32p。下巻p72にまとめ図)。なにか小さい時の出来事をテーマを決めて思い出す。頭に浮かんだことをぶつぶつと独り言をいいながら、歩きながら思い出す。テーマはあるが、脱線も許す。そこから派生した別の思い出や現在のことに思いが飛んでもそれを許す。

下巻で「ネガ子」がやってた通り、私もよくやる。伊藤さんみたいに電車の乗り過ごしはあまり無いけど(乗り間違えなら無数にある。本に夢中になって乗り過ごしたのは1回)、BODYCHANCEの授業中にもすぐ発想がどっかに飛んでしまい、余計なことを考えてしまい、そのことを責める自分がいた。しかし、本を読んで、「演劇ならそれも許される、いやむしろ推奨されるのか」と思うと、少し気持ちが楽になった。

鏡と一個飛ばし連想+クロス(下巻196p)。二人ずつ背中合わせになったペアが円になる。円になって正面になったヒトの動きのまねをする。動きは鏡のようにそのまま相手の動作をする。その一方で、背中合わせのペアで「一個飛ばし」連想ゲームをする。例えば「リンゴ」と言われたらそこから「赤」を連想し、さらに信号に連想を飛ばして「止まれ」という※。でも、それを考えるために目があさっての方向を向かず、前のヒトをまねするために正面を見ながら、さらに無表情やしかめっ面にならないように笑顔を保つ→そのあと、ペアを変える→さらにペアを変えるが、連想方法はそのままだが、まねする動作をクロスに変える。動作は右手なら右手、右足なら右足を動かす。

(※文中ではさらに「ジャンルチェンジ」という規定があり、例えば、「海」と言われて「魚」から「クジラ」を連想して「鯨」と答えるのはNG。海とクジラは同ジャンルなので。でも「海」と言われて「魚」から「カルシウム」と答えるのはOK。別ジャンルだから。でも、実際のワークショップではそこまで厳しい条件は課されなかった)

これ、やりたくなかったやつの1つ。一度にたくさんのことをするマルチタスクは私は苦手で、本を読んだ時点でこれだけはしたくないと思ってたのに・・・。で、実際にやってもると面白い。けど、やっぱり難しい。

お酒飲む。酔っ払った感じで楽しい気分で千鳥足でふらふら歩き回る。

ジブリッシュ(上巻20p)デタラメ言葉でとにかく話しまくる。

連動のリラクゼーション(上巻304p。ゆるめるは上巻p285)。部屋を暗くする。椅子の上で(寝っ転がらない)、まず身体の一部をゆるめ、その部分を緩めたら、その緩みが隣り合った箇所に影響するので、次にそこを緩め、そこを緩めたらまたその近くの箇所が・・・という感じで、ゆるみが連動していく感じ。部分部分を一つずつ順番に、というより、ラインとして一本の線で連動していく感じ。それをしながら、高くもなく、低くもない声を出す(高い声だと緊張するので)。※一人でやるのが難しかったら、誰かに触れてもらって、触れたところが融けていく感じでやるとよい(上巻346p)。

よく分からなかったけど、途中で小学生の二胡の生徒さんがしょっちゅう笑顔でくねくねして動いている様子がうかんで、彼女になったつもりで脱力してみた。

おそらくちゃんと出来てなかっただろう。それっぽいまねごとをしただけだったという自覚があったが、にもかかわらず、帰宅しながら妙に頭が軽いことに気づく。
不思議だ・・・。

《二日目にやったとおぼしきワーク》

「ワーッ」(昨日のワーク)。

歌う。身体を動かしながら、歩きながら好きな歌を自由に。歌う。広い会場で歌うのはとても気持ちがいい。→昨日の「超細分化」のようにすごく短く歌う(上巻155p)。出だしの数音だけを、いろんな歌い方で。気に入った歌い方があったら、それを少しずつ伸ばしていく→ジブリッシュで適当に歌って踊る(上巻153p、踊る上巻p175p)。中国のヤンコ踊りをイメージして、タモリっぽいデタラメな中国語で歌いながら。楽しい!!!

●後ろに発声(上巻147p、図352p)背後のヒトに大声で話しかけるように歌う。

いろんな笑い方(上巻p132)。最初は手足も使って猿のシンバルを叩くおもちゃのように全身で笑う→動物とかモノとか、イメージをどんどん足して、いろんな笑い方をしてみる。

アメンボ。すいーすいーと動き回る。

フローティング。水の中で動いているようにゆっくり、ふわふわと。指先まで意識して。
子どもの頃、お風呂の中で腕を脱力したら前腕がプカーっと浮かんで来るのを楽しんでたことを思い出しながら。また、小学校の水泳の授業で「だるま浮き」(胎児のように身体を丸めて膝を腕で抱え込む、そうすると勝手に水面に浮かぶ)の記憶が蘇る。水面はキラキラ。手を動かすと、その後ろに無数の泡が生まれ、消えていく。楽しい時間。心がゆったりとなる。

スケート(上巻p174の変形?)→ときどきダサかっこいい「決めポーズ」作る。→誰かに対して「死ねーっ」と鉄砲を撃つ。

羽生結弦くんを思い出す。さっきの静かなイメージと真逆の、動的なイメージ。木の床に靴下でよく滑る。心情として、ぜったいに「死ね」なんて言葉は普段口にしないが、目についたヒトをバキューンと撃ち倒していく。もちろん自分も撃たれる。汗びっしょりになるが楽しい。

感情を4~5秒でころころ変える。喜怒哀楽の動作を先生の指示で次々切り替えて行くが、がらっと変えるんじゃなくて、グラデーションで変えていく。→掃除(の動作)をしながら。私は雑巾がけをしながら。ほかに掃除機とかホウキとか。

これも楽しい!!! もともと感情がコロコロかわる性格だからかもしれない。

エア楽器。でたらめでいいからエアーで好きな楽器をやる。大げさにアクション。→それにジブリッシュ加える。

これもむっちゃ楽しい。私はバイオリンのまねをして、チャールダーシュや情熱大陸、riberutangoなどを弾いている葉加瀬太郎のイメージ。大げさなアクション、セッションのソロ部分の速いパッセージ。バイオリンの方が二胡よりアクション大きいよな~と思いながら。いやあバイオリンええなあ(エアに限るが)。

ぷちぷち。なんか名前がついてたが忘れた。身体の中に炭酸の泡(あるいは正座とかで足がしびれた状況とか、かゆい感・むずむず感)が手とか身体の一部分から広がってって「いやああ・・・」って感じ。それを表現しながら歩き回る→さらにぷちぷちを表現しながらさっきのエア楽器ひく。

このぷちぷちはいまいち意味が分からなかったが、「ぷちぷち」いいながら激しくバイオリンひいてた(エアで)

だるまさん転んだ(下巻48p+188pでちょっと)。最初は普通に。次は「楽しまなくていいから絶対に動かない、でも絶対に勝つつもりで」などと先生の指示が変わっていって、3回くらいやったのかな。

通常はただ楽しんで、というより、制約があるほうが楽しいらしい。私は3回とも楽しかった!

大声ワーク(声がかれるので希望者のみ。他のヒトは連動のリラクゼーション)。感情を蹴破る? 暗いとこで、壁に向かって座り、胴・上腿・下腿はそれぞれ直角に。手はそのまま横に垂らす(椅子をつかまない)。目の前に好きだったヒト(嫌いだったヒトの時もあるらしい)を思い出しながら、声が割れるくらい「ワーッ」と5秒くらい叫ぶ。息継ぎして呼吸整えてすかさず「ワーッ」を繰り返す。叫ぶときは身体を折り曲げたりしない。身体動作ではなく、全てを声に込める。途中でいろんな感情が生まれる場合もあるが、それも受け入れる。

私も翌日に用事があるから声がガラガラになったら困るなと思いつつ、思いっきりぎゃーっと叫ぶ機会なんて、今後私の生活の中では無いだろうな、と思って希望した(カラオケボックスとかでやったら従業員が飛んでくるよ!)

私は途中からヒトを思い浮かべるのを完全に忘れて、ただただ大声で叫ぶことに没頭していた。大声を出す機会はけっこうあるけど、こんな割れた声を出すのは最初で最後ちゃうか。こんなにひどい声を出しているのに、喉は大丈夫そう。ただ、途中で咳が出て中断してしまったけど。

二日間のワークショップの途中、テイクアウトの(!)北京ダックを食べたり、説明中に電話がなんども鳴ったり地震が来たりした(地震の場合は大学が避難場所だし、耐震補強済みだから却って安心)。

二日目はバスで駅までいった先生たち一段に徒歩で追いついて、電車の中で楽しく話せた。

下巻13頁の誤植の謎も解けてよかった。

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