二胡を楽しむ会って?
「二胡を楽しむ会」は天王寺区民センターで水曜日の午後、第2、4週(たまに1、3週)でやっているグループレッスンです。
入退室自由、かけもち自由、課題曲なし。
ソロ、アンサンブル、人前でひくこと、曲の部分の相談等々、やりたいことをやる時間です。
で、4月、8月、12月の年3回だけ、グループレッスンの一環として、1時間だけ、私から曲紹介+演奏という時間にしています。生徒さんたちが新しい曲に出会う場、自分のやっている曲について、ちょっとした曲の背景を知る場になればいいなあと思っています。
この日は13人の方々が集まってくださいました。
プログラム
・小花鼓 作曲:劉北茂
・雪の降る街を 作曲:中田喜直
・クリスマス・メドレー 作曲:グルーバーほか
・豫北叙事曲(リクエスト曲) 作曲:劉文金
●「良宵」「小花鼓」
前回の「楽しむ会」で「劉天華作品ぜんぶひいてみる」という目標をひとまず達成し、でもこれからもずっとひいていきたいから、今回は作曲された年から順番にいこうかな、と思ったのです。
でも、いぜんツイッターの相互フォロワーの方から、劉天華「良宵」と劉北茂「小花鼓」は、題材が「除夜」と「春節(旧暦の正月)」と連続しているから、連続して作曲されているのでは?というコメントをみて、そっか、この兄弟の作品を連続して取り上げてみよう! ということに。
実際、北茂が音楽の道に進んだのは、兄・天華の死後でした。だから、この2曲が作られた時期は、十数年もの隔たりがあります。
今回、特に北茂の紹介を中心にし、作品集を持ってきて、会のあと、興味のある方に見て頂きました。
●雪の降る街を・クリスマスメドレー
中国の二胡曲ばっかりにならないように、と考え、日本の曲・西洋の曲で、なにか季節にあった曲を、と思い、この2曲を選曲しました。
「雪の降る街を」は私が小さい頃から好きな曲でした。短調と長調とのゆらぎが心地よくて、とくに、「この思い出を この思い出を」のところが素敵だなと思っていました。
今回、二胡だけのメロディのあと、歌+二胡という弾き語りに挑戦してみました。もちろん、ほんとうの歌い手さんのようには歌えず、趣味の範疇なのですが、私自身、日々レッスンの場で「好きなこと/やりたいこと、をやってくださいね」と皆さんにお伝えしているので、その言葉を実践しようと、私も上手下手は関係なくやりたいことをチャレンジしてみよう!と思ったのです。
で、ついつい、二胡部分を凝ったものにしないと面白くないかな、と思ってしまうのですが、歌の先生には、「初めての試みのときはなるべくシンプルにしたほうがいいよ」とのアドバイスをいただいて、二胡パートは長音主体で、なるべくポジション移動の少ないものにしました。
で、本番、この曲が一番緊張して、久しぶりに手が震え、出だしがヘンな音になっちゃいましたが、この瞬間「歌の先生のアドバイスきいといて本当によかった~~~~!」と心の底から思いました。
よかったことは、いちども咳き込まなかったこと。たぶん、寒暖差アレルギーだと思うのですが、気温が下がってから春先まで、ちょっと咳がひどくなるんです。だから、歌は少し心配していましたが、本番では咳のこと、すっかり忘れていました!
もう1つは、「楽しむ会」が12月25日であるからにはクリスマスソングをひこうと、やってみました。ほんとは、間奏の間にしゃんしゃんいう鈴を腕に縛り付けてやってみたらどうかな、とチラッと思ってたのですが、思っただけで実行していません・・・どなたかやってみてください。
●豫北叙事曲
蔵出し曲の1つで、習ったのは1999年、南京でした。だから20年前になります。
その後、発表会のでピアノ伴奏のお手伝いは2回ほどしたことがあります(なにしろピアノは長期のブランクがあったので、譜読み・練習で2年くらいかかりました)。
いぜん、リクエストがあったので、今回思い切ってやってみることにしました。この曲を二胡で人前でひいたのは初めてでしたが、この機会に、もう一度曲解説を見直したりして、いろいろ勉強になりました。
中国で市販されている伴奏を使ったのですが、途中の散板で伴奏がまったくなくなって、また再開するところがうまく合わせられず、成功するのが数回に一回だったのですが、本番ではそこがうまくいってよかったです。
ただ、曲説明のときに、「豫」つまり河南省の風格の「河南小曲」や「翻身歌」の一部を紹介しようと思ってたのですが、それをすっかり忘れていたのが反省点です。
グループレッスン
この日は10名の方々のご参加(お一人は体験)でグループレッスンでした。
グループといっても、グレードで分けて同じ曲を一斉にやるのではなく、それぞれの方がそれぞれの課題に取り組んでいきます。
たとえば、慰問演奏や発表会などで、リハがわりに人前で通して演奏するという経験がしたい。
「音程」「換弦」「換把」「滑音」「各種弓法」など、いま取り組んでいる曲のなかで、課題となっていること・習得しようと練習していることなどについて、掘り下げて考えてみたい。
あるいは、まだ課題としてうかびあがってないけど、なんか、なんとなくうまくいかない原因はなにか、探ってみたい。
演奏というより、ふだん疑問に思ったことや、自分の先生に言われたけど、ちょっとよく分からなかったことをみんなとシェアしてみたい・・・などなど。
テーマになることは、毎回、参加してくださる方々の興味・関心が主体となるので、毎回かわっていきます。
同時に、誰かのレッスンや質問をきっかけに、新しい疑問が出てきたり、みんなの体験や感想をシェアしたり、と、一人がみんな、みんなが一人のために(おお、まさにone for all, all for oneの精神ですな)というグループレッスンを目指しています。
なかでも、今回印象的だったのは、「いちど全員でひいてみたい」というリクエストで、私を含め、グループレッスン参加者みんなが「見上げてごらん夜の星を」を演奏したことです。
この曲をひくのは初めて、という方も、ぶっつけでひきました。
私自身も、とても楽しんでひけました! いぜん、グループレッスン参加者全員で「カノン」を演奏したときみたいに楽しかったです(そのときはピアノをひきました)。
みなさん、ほんとうにありがとうございました!
(写真を撮って下さった方もお疲れ様でした)
・次回のグループレッスンは1/22(水)
・次回の「二胡を楽しむ会・ミニコンサート」は4/22(水)
・また「二胡を楽しむワークショップ:左手編(再開講)」を2/5(水)に行なう予定です。
お問合せ・お申し込み等は、
xuehuamao2016@gmail.com
まで直接メールをお送りください(その際、件名もご記入ください)。
改めてご返信いたします。
アンケートより(掲載可の方のみ)
☆四つ葉のクローバー様
・感想など
今日はどうもありがとうございました。
素晴らしい演奏と、先生の美しい声(歌)が印象に残っています。また機会があれば是非お願いいたします。
・リクエスト
「悠久の一乗谷」(※注)最近、ユーチューブみて ひいてみたい曲だと思いました。
※井上注:知らない曲でした。ちょっと聞いてみます!
☆匿名様
・感想など
良宵の、ドから始まりドで終わる、の解説に感激しました。
小花鼓のドラが聴けて良かったです※注。
自分ではにぎやかに弾けてなかったので、これから練習したいです。
クリスマスメドレーのアレンジ素敵でした。アレンジ部分をさらに素敵にできるんだなと思いました。
豫北叙事曲の、散板のところから伴奏に合うところすごかったです。1パートの切ないメロディ→にぎやか とてもよかったです!
・リクエストなど
曲をあまり知らないので、いろいろな曲を先生に弾いていただけると嬉しいです。
※いのうえ注:ドラを持ってきて叩いて音を出しました。休憩時間にみなさんにも触ってもらいました。
☆宮島様
曲のなりたちなど説明してもらえて、曲の理解がよりよくできました。
二胡の良い音がきける曲でよかったです。
☆匿名様
指をやわらかく(左手)弾いておられましたのが参考になりました。
暗譜が大切ですね。集中して弾く為にも。
先生の曲について説明してくださいましたことに、中国の文化を知ることの大切さも勉強になりました。
・初めての参加でしたが、楽しませて頂きました。
☆ハッチ様
良宵の高音がとてもきれいでステキでした。
私は弾けるように練習したいです。
小花鼓のかろやかなリズム、すごく感じがでてました。
弾き方で曲のふんい気が一ぺんに変わり
いかに弾き方が大事なのか。
豫北叙事曲 難しすぎて私には分からないでした。
☆楊様
・感想など
雪の降る街を 歌声もあってよかった
クリスマス・メドレー もろびとこぞりてのアレンジが素敵でした。私も弾きたい。
豫北叙事曲 最後の力強い弾き方、出来るようになりたい。
・リクエストなど
瑶族舞曲
空山鳥語 もう一度聞きたいです
☆あず様
・感想など
季節柄、弾けるようになれたらいいなと思う曲ばかりでした。
「豫北」素晴らしかったです。またいずれリクエストしたいです。♯4の滑揉、勉強したいと思いました。
・リクエスト
三門峡暢想曲
☆麻利子様
クリスマス・メドレー 先生独自のアレンジでとても素敵でした。
雪の降る街を 二胡弾きながら歌う しかもハモるというのは 神技だと思いました。
豫北叙事曲 解説を聞いたあとで演奏を聞くと、より曲の中に入り込める気がしました。
☆シエスタ様
即興作品が意外に多くておどろきました(※注)
それが歴史に残る名曲であることも!?
今日がクリスマスで、クリスマスに弾きたい曲がいっぱいで
ぜひ来年は季節感のある曲を弾きたくなりました。
豫北は少し習いましたが、大曲ですね。
それぞれの3部の味わいがでていて、よかったです。
ドラ!! これをイメージした曲のイメージがよくつかめました♬
・リクエスト
風林火山
※いのうえ注:実際には即興(良宵、小花鼓)、時間に追われて作った曲(雪の降る街を、きよしこの夜)の2種類でした。解説を調べてはじめて知ったことで、たまたまそういう曲を続けて選曲していたことが面白くて、みなさんにシェアしました。
それと、またまたカワイイ絵、ありがとうございました!
☆あっぷる様
楽しむ会とグループレッスンの感想です。今回もまた有意義で楽しいひと時でした!
まず、先生の演奏+解説ですが、「良宵」の劉天華と「小花鼓」の劉北茂が実の兄弟とは知りませんでした。英語教師から音楽家になったというエピソードや今日演奏の曲が即興や期限に迫られて急いで作った(※上記の注参照)というのも興味深かったです。
また「小花鼓」が太鼓や笛、ドラの音を二胡で表現しているというのも(※注)、凄く納得できて面白かったです。実際にドラを叩いてみて、なるほど〜と思いました。
井上先生の軽やかな弓使いがこの曲にぴったりでした!
暗〜い(笑)雪の降る街も、後のクリスマス曲も軽やかでステキでした。
私は暗く重たい曲も好きですが、重たい曲の後に軽やかな曲が来ると聴いていて飽きないですね。
豫北叙事曲は大好きな曲なので、リクエストしました。生ではピアノ伴奏しか聴いたことがなかったので、凄く新鮮でした。こちらは一曲の中にしっとり悲しげな部分と軽快な部分があって、聴きごたえありました。
楽しむ会の後のグループレッスンは、井上先生ならではのきめ細かいご指導で、とても勉強になりました。滑音とポジション移動のやり方が凄く良く理解できた気がします。家に帰って、もう一度やってみなくては!とずっと思いながら家に帰りました。
毎回、楽しむ会とグループレッスン両方楽しくて勉強になります!
ありがとうございました。
・リクエスト曲
葡萄熟了、光明行
※いのうえ注:これは、二胡の恩師の方々――南京の先生、京都の先生――の説を参考にしたものです。先生方の御指導のおかげで、私のこの曲のイメージがとても楽しいものになりました。
☆s.s様
井上先生、今日は有難うございました。
解説付きで演奏して頂けるので、勉強になります。
特に中国曲は訳も解らずに弾いても、あまり意味が無いのを痛感しました。
二胡と歌のコラボ、とても良かったです。
ラストの曲も好きになりました。
また来年も素敵な演奏を楽しみにしています。
有難うございました。
☆けいこ様
二胡を楽しむ会 感想
自分はどんなふうにこの曲を弾きたいか、皆さんに伝えたいか、細やかなところにもこだわって、大事なことだと思いました。
ありがとうございました。