なんでも利用しよう

《コンテンツ》

●右肩が痛い・・・

●エンドゲイニングとミーンズ・ウエアバイ

●悪いことって、「悪いこと」ではないのかも?

右肩が痛い・・・

右肩が痛いんです。激痛と言うほどでも無いのですが。

なにかの拍子に、カクカクと関節が鳴るような違和感と痛み。

でも、ただクスッと軽く笑うだけでも痛むときもあれば、右腕をかなり使う動作でも何もないときもあります。それって、いったい何が違うんだろうかと思ったり・・・。

腕を使った時の痛み、例えばスマホをふと手に取った時に「痛っ」となったときは、余裕があればもう一度やりなおしてみます。「頭ふんわり」を思い出すのです。そしたら、痛くないときもありますが、たまに、それでも痛むときもあったりします。

けど、痛むか痛まないかはあくまでも「結果」なのです。

エンドゲイニングとミーンズ・ウエアバイ

結果だけを追い求めることを、アレクサンダーテクニークでは「エンドゲイニング(endーgaining)」といいます。endが結果、gainは得る、獲得するですから、これは分かりやすい。

一方で、結果にどうやって到るかというプロセスを重視するのは「ミーンズ・ウエアバイ(means-whereby)」なのですが、なぜそういうのか、英語が苦手なのでエンドゲイニングよりわかりにくいです。「whereby」を調べると「それによって」という日本語訳がでてきますが、でも「where=どこ」ですよね?なんでなんでしょう?

まあそれはともかく、エンドゲイニングよりミーンズウエアバイ。

もちろん、右肩の痛みというか違和感がなくなるに越したことはないのですが、いま痛みがあるのは事実なので、ならば、なにかの動作に「頭ふんわり」を思い出すためのリマインドのためにこの「痛み」を利用できるな、と思ったのです。

悪いことって、「悪いこと」ではないのかも?

このような考え方に初めて接したのは、BODYCHANCEに入学したばかりのとき、ゆかさんのレッスンに出たときでした。

そのとき、たしか「汗が出て、手がべたついてポジション移動がうまくできない」といったようなことを相談したような記憶があります。

そしたらゆかさんがおっしゃったのです。「その汗、何かに利用できないかなあ?」って。

実は、このあとアクティビティがどういう結果になったかはほとんど覚えていません。それよりも、ゆかさんのその言葉のほうが衝撃でした。

手の汗は、私にとってイヤなもの、演奏のジャマになるものでしかありませんでした。ましてや、それを「利用する」なんて発想はみじんも浮かんでこなかったのです。

だからこそ、「汗でべたつかないようになった」という結果より、「汗をなんかに利用できないだろうか」という角度から問いを発するというプロセスの方が、私には意味のあることだったのです。

この時の経験は、その後の私にすごいプラスになりました。

例えばレッスンの時に、お客さんの前でひくと緊張するという生徒さんと一緒に、「どうやってお客さんの存在を利用できるか」という発想から出発していろいろ考えてみたり、呼吸がうまくできないという生徒さんと一緒に、「そもそも二胡の音を出すだけなら呼吸はいらないよ」ということを確認してから、「じゃあ、どこでどうやって呼吸を利用しようか」あるいは「いまどこでどうやって呼吸を利用しているか」というところを考えてみたり。

約100年くらい前のこと、アレクサンダーは、舞台上で朗誦するときに声が枯れたりするなど、いろんなトラブルに悩まされ、医者のアドバイスも本質的な解決にはならず、自分でなんとかしようと鏡を使って観察をはじめました。

やがて、舞台上でのパフォーマンスという「刺激」が、ある一定の間違った自分の使い方をしてしまうという「反応」に引き起こしていることを発見します。

そして、習慣になってしまった「刺激→反応」をやめ、刺激に対して新しい「反応」をする=新しい選択をするためにカギになるのが、頭ー脊椎を自由にしておくことだということに気づきます(こういう説明の仕方が適切なのか、いまの私には判断がつきかねますが、あくまでも「アレクサンダー氏」の発見に対するいまの私個人の理解、と思って下さい)。

つまり、「選択肢が増えること」が重要なのです。

そのために、「汗=悪いこと」という習慣化・固定化した考えから新たに踏み出してみること、それを教えてくれたのが、ゆかさんのあの言葉でした。

そして、悪いこと、例えばアレクサンダーの声がれや、私の手の汗とか肩の痛み、それらって、必ずしも「悪いこと」ではなく、そのおかげで新たな気づきや学びのきっかけを得ることができるんだな、ということも教えてくれました。

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上記の記事は、下のツイートを再編集、というかそのネタを大幅に膨らませたものです。

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