雑音一覧

《コンテンツ》

●雑音の種類

●鳴っている弦そのものが発する雑音

●鳴っている弦以外のものが発する雑音

雑音の種類

以下の分類は→2022年7月24日のつぶやきをもとに整理したものです。

分類の仕方がこれでベストなのか分かりませんし、まだ他の原因があるかもしれないし、さらに、複数の要因がかさなって雑音が鳴るときもあります。

A 鳴っている弦そのものが発する雑音

A-1 弓圧と弓速のバランス

A-2 弓の角度

A-3 弓の長さ(弓幅)

A-4 換弦

A-5 左手

A-6 雑音が鳴りやすい特定の音

B 鳴っている弦以外のものが発する雑音

 B-1 楽器が発する雑音

 B-2 楽器以外が発する雑音(部屋にあるモノなどとの共鳴など)

鳴っている弦そのものが発する雑音

A-1 弓圧と弓速のバランス

【基本】高い音は速く細かい振動、低い音は遅く大きい振動。それに見合う弓。

↓の図は『張韶老師の二胡講座』上巻85pの訳注の図(井上がフォトショで制作)。弓圧が大きすぎたり弓速が遅すぎたりすると、図のAの領域のギコギコ系の雑音が鳴る。これを解消するには、弓圧を下げるか(音量は小さめになる)、弓速を上げる(音量は大きめになる)

また、弓圧が弱すぎたり弓速が速すぎたりすると、音が裏返って、図のBの領域のシュルシュルとかキーキー系の雑音が鳴る。これを解消するには、弓圧を上げるか(音量は大きめになる)、弓速を下げる(音量は大きめになる)

2020年9月30日のつぶやき2024年2月29日のつぶやき

A-1-2 内外弦の違い。内弦の方が太いので、たとえ同じ箇所でも、外弦に比べて弓圧は大きめに、弓速は遅めになる。

A-1-3 弓段の違い。弦にかかる弓の重さが弓根(弓元)と弓尖(弓先)で違うので、弓根では弓圧がかかりすぎないように、弓尖では弓圧を加勢するなど、微調整が必要。それが足りないと、弓根ではギコギコ系の、弓先ではキーキー系の雑音がしがち。同様に、拉弓と推弓でも変わってくる。

A-1-4 音高の違い。例えば、同じD調第1ポジションで同じ外弦の音でも、開放弦5と高音点2では弓圧・弓速のバランスが異なる。5でいい音が鳴るバランスでも、高音点2はギーギー気味になるので、弓圧はちょっと軽め、弓速はちょっと速めに調整する必要がある。

A-1-5 ポジションの違い。弓圧・弓速のバランスの調整は、ポジション移動を覚えてさらに高い音を使うようになると、もっと必要になる。

A-2 弓の角度

【基本】運弓の方向①運弓の方向②

・弓は「弧」を描いているので、特に両端になると微調整が必要。そこをむりくりまっすぐにすると、そこで弓がひっかかって雑音になったり、弓毛が弦から浮いて音が鳴らなかったりする。

・場合によっては、中弓でも、弓の角度が斜めだと雑音が鳴ることも(高音など)

↓図は2020年2月28日つぶやきより(手書きですみません)

A-3 弓の長さ(弓幅)

・短い弓→2022年7月10日つぶやき

A-4 換弦

・換弦のときの接触不良。きちんと弦を移動しきる前に、接触不良の状態で弓を動かし始めると、接弦がきちんとできてなくて音が裏返る。

A-5 左手

A-5-1 左手のタイミング

・保留指でない場合、ある指を離すタイミングと指を置くタイミングがずれると、その間で一瞬開放弦が鳴ったりする。また例えば、1=Dで「2 3」を分弓でひくとき、弓を返すタイミングが速すぎるか左手の動きが遅れると「2 23」になるし、その逆で、弓を返すタイミングが速すぎるか左手の動きが速いと「23 3」になる。(だいたい左手が遅れることが多い)

A-5-2 左手の按弦

・弦の側面から当ててると雑音が鳴りやすい。

A-5-3 ハーモニクス

・正しい音程からずれると実音より雑音が鳴りやすい。左手を浮按するときの位置は、実按よりも更に正確さが求められる。

・左指はフワッ+右手の運弓はしっかりという左右の力加減のアンバランスさがあるので、その加減の具合によっては雑音が鳴る。

A-6 雑音がなりやすい特定の音

A-6-1 弦の分割の整数比が大きいもの

A-6-2 ウルフトーン(狼音)

鳴っている弦以外のものが発する雑音

B-1 楽器が発する雑音

B-1-1 自分のひき方によって発する雑音

●B-1-1-1 ひいていない方の弦が鳴る

・運弓の角度が斜めになっている。

弓を琴筒に押し付けすぎ、弓毛がつぶれてひいていない方の弦が鳴る。

・指で弦を強く押さえすぎている状態で大きくポジション移動すると、まるでファスナーがとじるように弦幅を狭めてしまい、ひいてない方の弦が鳴ることがある。

コマの溝の幅と弓毛の量とのバランス。コマの溝(弦槽)が狭すぎるとひいてない方の弦も鳴る。また、弓毛が多すぎても鳴る。

・コマの溝から弦が外れていて、弦の幅が通常より狭まっている(2020年8月31日つぶやき

●B-1-1-2 弓棹が何かに触れて鳴る

・弓棹が何らかの原因で持ち上がったり琴棹から離れたりすると、運弓で動くたびに琴筒に当たってカンカンと鳴る。

●B-1-1-3 回弓の時に発する雑音→ブログ更新中

B-1-2 楽器の不具合や相性によって発する雑音

・コマが割れている。これは私の経験談だが、どうしても雑音がするのでコマを調べようと外したら、パカッと2つに割れていたことがあった。取り替えたらなおった。

・フェルト(控制垫)の位置がずれていたり材質の相性によっては雑音が増えることも。それらを調節すると雑音が改善されることがある。特にウルフトーン。

・フェルトが厚すぎると、弦が駒の溝から微妙に浮き上がって雑音の原因になることもある(2022年1月30日つぶやき)。

・テンペン(垫片)や、その上に貼っているモノが原因?(2023年12月26日つぶやき)。テンペンの上に貼っている布テープがすり切れていて(↓)、それを剥がしたら雑音が収まった。光っているように白く見えるのはすり切れて模様が薄くなっているからです。このどこで雑音が鳴っていたかは分かりませんでした(テープ端っこのほつれでしょうか?)

・弦に松脂がこびりついている。

・松脂の種類、相性など。

・湿度が高いとキーキーなりやすい。

B-2 楽器以外が発する雑音(共鳴など)

・金属製の微調整ネジの共鳴

・部屋にある何かと共鳴(金属製品とか)

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