劉天華が演奏したクラシック曲

●クイズです

●天才か・・

●弦楽器も管楽器も

クイズです

突然ですが、クイズです。

 

以下は劉天華が実際に演奏した、西洋のクラシックの曲です。さて、何でしょう?

①門德尔松德:e小調小提琴協奏曲

②贝多芬:浪漫曲

③贝多芬:第六交响曲

 

 

 

 

********

 

以下、答えです。

 

 

①門德尔松德:e小調小提琴協奏曲の答え

Mendelssohn: Violin Concerto in E minor
メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調,op.64」 

たぶん、です。中国語から検索しました。

 

 

 

②贝多芬:浪漫曲の答え

Beethoven: Romance for Violin and Orchestra No. 2 in F Major, Op. 50
ベートーヴェン 「ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス」 第2番

これもたぶん、です。中国語から検索しました。

 

 

 

③贝多芬:第六交响曲の答え

Beethoven: Symphony No. 6
ベートーベン「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”」

これはたぶん確実だろうと思います。

 

 

天才か・・・

前回と同じく、これも、京都アモルファスのzoom講座「劉天華とその時代」で調べたことのうち、あまり講座内で触れなかったことを、旧Twitterでつぶやいたものです。

ちょっとひねって、クイズにしましたが、私が思ったのは、劉天華のすごさでした。

 

①②の出典は『劉天華全集』220pです。ここでは、北京大学の同僚だった老教授(高齢の教授というわけではなく、「老」という名字の方のようです)の回想が書かれています。

 

劉天華は、37歳で猩紅熱にかかって死ぬ前に、バイオリンの演奏会を計画していたそうです。そこで、ピアノ伴奏を頼まれていたのが、この老さんでした。彼は20歳を少しすぎたくらいで、当時は、北京師範大学の音楽系の主任をしていました。そのプログラムの中に、この2曲が入っていたそうです。

 

劉天華が本格的にバイオリンを学んだのは28歳のときでした。先生は、トノフという、ロシア籍のバイオリニストです(↓はトノフと劉天華とのツーショット。この前の記事「劉天華の住んでいたところ」にも掲載したものです)。年齢的に、私が二胡を始めたのもそのくらいの年だったので、ちょっと親近感を覚えました。

10代の頃、劉天華は上海の劇団でバイオリンやトランペットなどを演奏していたことがあったのですが、基礎がまったくできていませんでした。28歳で初心者同様の劉天華を、トノフは歯牙にも掛けませんでした。楽譜を投げつけたこともあったそうです。

 

しかし、劉天華は諦めませんでした。トノフが北京を離れた数年を除き、劉天華は37歳で無くなるまでずっとトノフに師事しつづけたそうです。やがて彼はトノフの弟子の中でももっとも優れた学生になりました。

 

また、劉天華は演奏だけでなく、教えることも上手だったようでした。大学には数人のバイオリン教師がいましたが、劉天華のレッスンが一番人気があったそうです。

 

そして、そのバイオリンの才能は、すこし離れたところで引き継がれました。劉天華の弟・劉北茂の子どもが、バイオリニストになったのです。劉育熙といいます。

↓の動画は、劉育熙が伯父・劉天華の曲と、父・劉北茂の曲を演奏している様子です。

 

弦楽器も管楽器も

 

③の出典は『劉天華記憶与研究集成』267pです。『田園』では、劉天華はバイオリンではなく、トランペットで参加しました。オケ内のトランペットパートを、たった一人で担ったのです。

 

1923年、北京大学内にオーケストラができました。このオケについては、わずか十五、六人ほどのメンバーだったらしいですが、「市民に西洋音楽を広めたい」という、蕭友梅の情熱のたまものだと、榎本泰子『楽人の都・上海』56pに書かれています。

蕭友梅は東京音楽学校でも学んでおり、音楽伝習所の主任として、楽理や和声などの理論を教えており(同書49p)、オケでは指揮を務めました。何度か開かれた演奏会では、ベートーベン『田園』『英雄』のほか、シューベルト『未完成』、ドボルザーク『新世界より』が演奏されたそうですが、劉天華が『田園』以外の楽曲にも関わったかどうかは不明です。

しかし、田園のトランペットがたった一人なら、他の曲でも演奏した可能性は高そうですね。音楽伝習所には、トランペットを吹ける講師や学生は他にいなかったということでしょうか?

 

ここで、彼は昔取った杵柄でトランペットの腕前を披露しただけではありませんでした。

北京大学音楽伝習所は、西洋楽器が中心でした。中国楽器を教える講師は劉天華くらいで、しかも、他の西洋楽器の先生方は、西洋音楽をあがめ、中国音楽を遅れたものと見なしていました。

しかし、中国楽器を教えている劉天華が、西洋楽器のトランペットを高らかに演奏する様子を見て、西洋楽器の先生方はとても驚きました。そして、劉天華のことを認め、彼が教える中国音楽のことも、改めて尊重するようになったそうです。

 

※上記の記事は2026年8月8日の旧ツイッターのつぶやきを再編集したものです。

 

************************

 

で、ここでいったん筆を置いたのですが、『劉天華記憶与研究集成』267pには、先ほど挙げたバイオリン曲以外にも、劉天華が演奏していた曲をあげていたので、これも調べたうえで、以下に列挙します。

 

●圣・桑(↓の動画には「和」の字がありますがおそらく間違い?)《引子与回旋随想曲》

サン・サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」

Introduction and Rondo Capriccioso By Camille Saint-Saens

●萨拉萨蒂《吉普赛之歌》

サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」

Sarasate Zigeunerweisen

 

●维尼亚夫斯基(↓韋尼奧夫斯基という表記もあります)《莫斯科的回忆》

Wieniawski Souvenir de Moscou Moscow Op.6

ヴィエニャフスキー モスクワの想い出 作品6

 

●马斯捏(馬斯奈ほか)《沉思》(これも泰伊斯冥想曲など様々な表記あり)

マスネ「タイスの瞑想曲」

Massenet Meditation from Thais

↓この子すごい!!!

あら、ジョージさんが演奏した動画も見つけちゃいました!

 

以上、劉天華が演奏したクラシック曲、でした。劉天華がひいている様子を想像してみてくださいね。

 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする