『張韶老師の二胡講座』上巻・下巻 取り扱い書店一覧
new!『張韶老師の二胡講座』上巻第2版を2022年4月より販売中です!
以下の店舗で取り扱っていただいています。
※『張韶老師の二胡講座』のブログは→こちら
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※注記:4/14まで間違って「京都」としておりました。大変申し訳ございません!
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『張韶老師の二胡講座』は、1989年に中国で出版された『二胡广播教学讲座』(張韶著、上海音楽出版社)の日本語版です。
著者の張韶氏は、劉天華の弟子の儲師竹に師事し、楽団での演奏活動、音楽大学での後進育成、二胡の改良、雑誌『二胡研究』の創刊など、演奏・教育・理論・楽器など、実にあらゆる分野で活躍しました。
特に、二胡を大学でも学べるよう、戦時下に尽力した劉天華の志を受け継ぎ、二胡界の重鎮として、二胡を学ぶための環境整備に心血を注ぎました。特に、中国国営放送で二胡放送講座を担当し、音楽大学だけでなく、多くのアマチュアの学びの機会を提供したのです。さらに、視覚障害者の方向けの二胡教材を作るなど、当時の中国では先進的ともいえる、バリアフリーの視点も備えた人物だったのです。
その総仕上げが、大陸における二胡検定制度の創設に尽力したことだと言えるでしょう。
まず下地作りとして、張韶氏自らがたくさんの練習曲を作曲したばかりではなく、劉天華を始めとするあらゆる二胡の練習曲のみならず、板胡や琵琶、バイオリンなどあらゆる分野から練習曲を収集し、王国潼・周耀錕とともに『二胡練習曲選』とその続集を出版しました。
さらに、自分が担当した二胡放送講座用のテキストを何度も増補・改訂し、その集大成となるのが、本書『二胡广播教学讲座』なのです。
(このあたりのことは、いずれブログに詳しく書きたいと思っています)
本書は、大陸で200万冊以上を売り上げ、さらに海外で海賊版が横行するほど歓迎されました。
300pの大著で、前半が文章、後半が222曲を収めた譜面集になっていますが、日本語版ではこれを上下巻に分けて収録しています。
中国語を日本語に訳しただけでなく、日本人読者のために下記の点を工夫しました。
- ただ日本語に訳しただけでは分からないところは、訳者ができうるかぎりの補足情報を訳注で補いました。
- 情報が古い箇所については、資料的価値も鑑みて一律に削除せず、これも訳注で補足情報を補っています。
- 文章で伝えにくいことについては、新たに図や写真を付け加えました。
- 長い譜面については、できるだけ譜めくりをせずに見られるよう、レイアウトに配慮しました。
- 音源がついていないので、『張韶老師の二胡講座』のブログ(こちら)の方で、二胡の参考演奏や、もともと二胡の楽曲でないものは原曲を掲載しています(もともと自分のメモがわりに作ったページでしたので、現在整備中です)
日本語訳にはいろいろ拙いところもあるかと思います。というか、私自身、この本の訳者として、自分がその任に堪えるとは思えません。
しかし、張韶先生は本当に素晴らしい先生で、原著は本当に素晴らしい本だということは胸を張って言えます。権利の関係で、たぶん印刷できるのは今年で最後だと思います。だからこそ、一人でも多くの方々に本書を手を取っていただきたいと、心から願っています。