二胡を鳴らすのに必要なこと(最低限必要なこと、と言うべき?)は何か。
1997年に習い始めてはや20年、これまでそんなことを考えたことは皆無だった。
2016年9月16日、アレクサンダーテクニークの学校であるBodyChanceのレッスンで
私は『新婚別』を題材にどうやって感情を表すのかを質問してみた。
当日の先生は、もと役者で、二胡は見たこともない。
その先生が言うには、
1 ひく前にイメージする(そういう感情を伴う似たような思い出や気持ちでもいい)。
ただ、自分がその女性になるのではない。
2 自分の中にはイメージや映像があり、それを表現するものは擦弦点である。
(擦弦点とは、二胡の弓と弦の接点)
3 上記2を理解したうえで、自分がやることは協調作用を思うこと。頭を固めず、自由に動くようお願いする。
(協調作用については後日。「お願いする」というのも独特の表現だなと思う)
感情はその結果としてついてくるもの。
私が感銘をうけたのは上記2番だった。
BodyChanceのビデオ教材の最初の部分(BTM1L1V3)に、日常動作の分析するためのいくつかの問いについて述べる箇所があったが、そのひとつが「その動作を行うのに必須なことはなにか」というものだった。
二胡だとどうだろう。
二胡の演奏にはさまざまな動作がともなうが、
「音を出す」ことに絞ってつきつめて考えていくと、結局は「弓(弓毛)で弦をこすること」になる。
そして、それが実際に行われているのが、擦弦点、このたった1箇所なのだ。
当たり前のことなのかもしれないけれど、
まずは、この基本的かつシンプルな原理を出発点に
いろいろ見えてくるものがあることが分かった。
具体的なことについてはおいおい書いていきたい。
***
アイキャッチ画像は宮島の鹿。お客さんはどうやってこのお店(あなごめし)に入るのだろうか?