2018年4月25日の「二胡を楽しむ会」の報告です。
いつもの会場である天王寺区民センター第4会議室で行いました。
・閑居吟【無伴奏】
・さくら~独唱~
・燕になりたい
・春詩(リクエスト曲)
・チャールダーシュ(リクエスト曲)
春らしい曲を中心に並べました。
でも「閑居吟」は実際は夏に作られた曲だそうです。
●アンケートより(掲載可の方のみ)
・二胡による「さくら」を初めて聞きました。挑戦してみたいと思います。たくさんのことを教えていただいてありがとうございました(あず様)
・初めて聞く曲もあり、近くで聴ける貴重な場でした。体験レッスンもとても勉強になりました(匿名様)
・春の曲、伸びやかで春らしく心地よく、名前しか知らなかった曲も楽しませていただきました。うまく弾けなかった?ところもあったようにおっしゃられてましたが、全く分かりませんでした。とても自然で、メロディを私が知らなかったからかもしれませんが。 慈愛に満ちた音色、生で聴かせていただき本当に幸せです。お話も、エピソードなどなかなか聞けないことばかりで。
三人でのレッスンも、貴重でした。 最近バタバタ忙しく、練習できてなくて、果敢?にアタックしましたが・・・。 曲のイメージ、具体的に最後までの曲想を描いて、表現することが大事なんやなあと思いました。 皆さんの質問、悩み、気付きを沢山いただきました。ありがとうございました(匿名様)
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さて今回演奏に際しての目標は「ストーリーを作る」でした。
まずは簡単なイメージ設定。
「閑居吟」は、かつてジョージ・ガオさんが話していた「でっぷりとしたおじさんがおなかをゆっさゆっさとゆらしながら歩く」イメージ。
「さくら」は歌詞からくる桜舞い散る中の卒業・旅立ちのイメージ。
「燕」も、歌詞よりは、自由に飛びまわる燕を眺め思いをはせるイメージ。
「春詩」は、春の妖精が春風とともに動植物を起こしていくイメージ。
「チャールダーシュ」は、酒場で陽気に騒ぎ踊るイメージ。
このイメージに助けられたのは「チャールダーシュ」です。
最近ほぼ心配してなかったハモニクスが、
当日はなんかうまく出なくて、
心折れそうになりました。
でも、次に転調して再び速いテンポになったとき、
酒場のおじさんたちが「気にすんな! ほれ、踊ろ踊ろ!」と
笑いながらパンパンパンパン・・・と手拍子してくれる画面が重なり、
すぐ気持ちを切り替えることができたのでした。
で、今回はなるべくイメージを膨らませて、場面ごとの「ストーリー」を設定しました。
この作業をわりと丁寧にやれたのが「春詩」です。
ストーリーがあると、うまくひけるだろうかとか、間違えないようにとかでなく、
ほんとうに音楽を表現するために自分を使えるような気がします。
なにかうまくいかないことがあったとしても、
上記のチャールダーシュのように、すぐ次のストーリーの表現にとりかかることで、
間違いにいつまでも心乱されることもなく、前へ進めました。
以下は、すべて、実際のメロディの進行に基づいていますので
知っている方は、曲を思い浮かべながら読んでみてください。
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まず【一】の「引子」部分。
長い長い冬の眠りから、春の精がしずかに目覚めます。
最初はとろとろと寝ぼけ眼で、
再びうたた寝に戻ります。
眠りと目覚めの間をたゆたいながら、
次はぐううっとのびのびと「伸び」をします。
甘やかな春の空気を存分に吸い込んで
美しい目をぱっちりと見開き、
ゆったりと翼をはためかせて、飛びだちます。
【二】外はまだ冬景色ですが、
春の精は春風とともにゆったりと巡り、
高くから見下ろしたり、低く飛んだりしながら
周囲をだんだんと暖めていきます。
彼女が木の芽を優しくなでると、堅い芽がほどけてみずみずしい葉っぱが生まれます。
しっかり結んだつぼみも、なんども触れると徐々にほころび、美しい花が開きます。
そうやって、あたりは徐々に赤や緑に色づいていきます。
葉っぱ同士のささやきや、ひろひそ声も聞こえてきます。
みんなが起きたところで、春の精がこちらを向きます。
植物たちは、静かに彼女の声に耳を澄ませます。
彼女は呼びかけました。
さあ、みんなで踊りましょう、と。
【三】そして、春の精は春風や木や花とともに楽しげにダンスを踊ります。
ひととおり踊っても、もう一回!
ダンスはだんだん盛り上がってきて・・・
【四】外の世界の賑やかさに
とうとう、虫や鳥や生き物たちが目覚めました。
飛び回り、鳴き交わし、走り回り
みなで思う存分、春を謳歌します。
いきいきと喜びに満ちた、大合唱が始まるのです。
【五】生命の饗宴。
それを満足そうに見届けた春の精は
満足そうに、ふたたび眠りにつきます。
また来年の春まで
おやすみなさい。
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あごを載せてリラックス?
帰りにまた通りかかったら普通に座ってた。