2/6二胡を楽しむワークショップ:右手編報告(2/16加筆)

3度目、でも新しい

2019年2月6日、天王寺区民センターで「二胡を楽しむワークショップ・右手編」を開講しました。

実はこのワークショップは、2018年3月と8月28日の2回、開講したことがあります。今回が3回目、つまり再々開講となります。

内容こそ、プチリニューアルしていますが、根本の、一番伝えたいところは同じ。

しかし、今回は、前回よりもさらに明確な意思をもって臨みました。

それは、

・この「右手編」が、アレクサンダーテクニークで一番大切な「頭脊椎の関係」および、それと四肢との関係を取り上げているため、すべての講座の基礎となっていること。

・軸となるテーマは毎回ほぼ同じとはいえ、私の学びが進んでいくにつれ、理解もより深くなってます。また参加者さんの顔ぶれも毎回異なりますし、1回目、2回目の参加者さんのフィードバックの蓄積もあり、必要に応じて、アクティビティなどをプチリニューアルしていっています。つまり、同じ事をやっているつもりでも、一つとして同じものはないという当たり前のことを、改めてしみじみ感じたこと。

・このようなワークを少しでも多くの方々に体験していただくことで、アレクサンダーテクニークの良さを知ってもらうきっかけになれば、という思いが、ブックコースを何冊も読み進めていくうちに、強くなってきたこと。

の3つです。

その思いが届いたのかどうか分かりませんが、今回は想定していた定員いっぱいの10名のご参加がありました。

新しい「体験」を持って帰ってもらう

このワークショップは、「セミナー」ではなく「ワークショップ」と銘打っていることもあり、座学ではなく、実際に自分の身体を使って動かしたり動かされたりする体験を重視しています。

例えば、軸やカラダ全体の状態が手(腕)の動きに影響すること。

例えば、手(腕)の動きと脊椎の支えとの関係。

例えば、身体の構造に沿った腕の使い方とそうでないときの、指の動き方、等々・・・

時間がちょっとだけオーバーしてしまったのですが、それでも、もう少しやりたかったな、という思いもあります。

しかし、みなさんも、お忙しい中、各地から駆けつけてくださって、時間的な制約もあるでしょうし、なるべく設定した時間を守るようには努力します。

ただ、お部屋の使用終了時間までは、もう少しあったので、ちょっとお話したり、質問を受け付けたりする時間もあって、よかったです。

ほんとうに、ご参加下さったみなさん、ありがとうございました!

(画像は加工しています)

ここで、ちょっと補足します。ワークショップの最後にはいつも、「この日に学んだことを二胡以外の日常生活のどんな時に生かしたいか」について、みなさんにうかがっているのですが、ここで、参考になるかもしれない本があります。

当日うっかりご紹介するのを忘れていたので(ちゃんと持参してたのに…)、ここに載せておきますね。

恩師の一人である木野村明美先生のご著書、『イラストでわかる 疲れないカラダの使い方図鑑』です。

購入時、ツイッターでつぶやいたことはあるのですが、入門編としてはとてもよい本だと思います。ほんとうにほんとうに、日常の、誰でも何度もやっているふつーの動作について、細やかにアドバイス下さってます。

実は、日常生活だろうが楽器だろうがスポーツだろうが、人間活動である限りはすべて根本は同じなんだけど、その落とし込みがけっこう難しい。私も、四苦八苦しています。まずは日常生活で使おうと思って、よく忘れます。でも、数年やってて、やっと思い出す回数が増えてきました。そして、その変化が、二胡をひくという身体動作にも少しずつ変化をもたらしていることを、うっすら実感しています。

だから、この本で、まずは一つの動作だけでもいいから(例えば、洗濯もんを干す、とか)ピックアップして、とにかくその動作をやるたびに、本に書いてある動作を思い出す。それだけでも、ほんのわずかでも、何かが変化してくる可能性があります。

それは、アレクサンダーテクニーク的な小さな一歩を、踏み出したということなんです。

ワークショップを育てていく

思い返せば、初回のワークショップは、BODYCHANCEの認定資格の一つ、身体構造とその機能に関する「ボディシンキング資格」取得のために開催しました。そのときの参加者は6名で、最低人数である5名をギリギリクリア。

このとき、都合がつかずキャンセルなさった方のリクエストにお答えして、同じ内容のものを違う曜日で開催、5名のご参加でした。これが2回目。

そして3回目の今回は前述のように定員の10名。のべ21名にご参加いただいたことになります(うち1名は同じワークショップに2回も参加してくださいました!)。

そもそも、このワークショップをはじめたきっかけは、BODYCHANCEのアレクサンダーテクニーク講師資格を取るために必要だから、でした。

最初は手探り状態でした。でも、BODYCHANCEの先生方や先輩方の暖かいサポートにほんとうに助けられました。

ワークショップをなぜ「右手編」で始めたかというと、私がいま学んでいるアレクサンダーテクニークのキーワードである「頭・脊椎」と四肢との関係を主要テーマにしてとりあげる際、四肢のなかで「右手」が二胡の演奏動作のなかで最もダイナミックに動く箇所で、しかも主に音色を作りだすのが右手だからです。右手は、例えば歌手にとっては呼吸に匹敵するくらいの大事な存在(と言えるかな?)です。

そして、このテーマの設定のアドバイスや、ゲームのゲームのアイディアを下さった先生方、ワークショップにおける図をつかった説明や、アクティビティの練習に付き合って下さったレッスン生(トレイニー)の方々、みなさんの助けが無ければ、このワークショップは実現できなかったと思います。

そして、毎回、参加者の方々から寄せられたご感想・ご意見なども、私の大きな励みとなっています。

BODYCHANCEの先生方・先輩方や仲間たちのサポートによって生まれ、そしてこれまで参加してくださったみなさんに育てられてきたこのワークショップは、いまや自分の原点といえるものです。これからもひきつづき大切に育てていきたい、多くの人に広めていきたいと思っています。

以下は、ご参加いただいた方々の声です(掲載可の方のみ)。


☆新村様

筋肉、骨格からの観点で二胡を感じて、新鮮なおどろきでした。


☆ぐぅ様

・右手(右腕)の概念が大きくかわりました。右手と身体(ふわっと載せた頭、ニュートラルな肩 他)を使って練習してみたいと思いました。

・要望:表現力 etc.


☆無記名の方

先生ありがとうございました。

すごく勉強になりました。


☆濱田様

わかりやすく説明して下さいました。

体のしくみを教えてもらい、二胡に反映できるようにお話しして下さったので、忘れず心がけたいと思います。


☆楊様

・右手のワークショップ 前回受けたように思うのですが、今日は 又 再確認!

何回受けてもいいと思いました。

・要望:ポジション移動、ビブラート、16分音符と8分音符を正確に弾く事。


☆ss様

昨日は有難うございました。 非常に解りやすい内容で、少しでも実践していきたいです。


☆KAGEKO様

感想ですが、まずは今まで気に留めてもいなくて、誤解していた身体の仕組みがわかったのが、とても良かったです(腕がどこまでとか、首がどこまでなど)。

講義と、実際に人の身体を使ってじかに触れてみると理解も早く、印象にも残ります。腕を真横に伸ばした時より、30度の角度をつけた方が動きやすいとわかった時は目からウロコでした。

腕を伸ばして下ろしてくる、だらんと俯いてから股関節を使って起き上がる、これからも活用していきたいと思います。

ただ、最も重要な頭がふんわり乗っているのを身体で体験してみたいなと思いました。どうやるのかは想像もつかないのですが(※引用者井上注:このことに関してはメールでお返事しました)。

それと、トレモロの時に手首の動き体験させていただき、ありがとうございます。私、トレモロが苦手で、どうしたら自然にできるかと思っていたのですが、手首が固まっていたのかなとわかりました。こちらも活用していきたいと思います。タイムリーに体験させていただき、感謝しております。

そして、帰りにスタジオで練習をしたのですが、音が違うように聞こえました。えっ、私の音、こんなに張りがあった?と思うほどでした。それに身体がよく動いたような気がします。その動きがよいのかどうかまではわからないのですが、これまで演奏中は固まっていたな、というのが自覚できたように思います。明日以降も使っていきたいと思います。

また、その他の要望は以下の通りです。 ①演奏時の緊張との付き合い方、というより緊張しても弾けるようになりたいです。 ②正確な音程の取り方。


☆バンビ様

1)昨日の感想

アレクサンダーテクニークの本を二冊※中途半端に読んでいただけですが「簡単な予習」した状態のため、知識としては「知っている」事が多かったけど、実際にやってみるワークはやはりためになるなあと思いました。
特に「水飲み鳥」「肩のびのび」。

あまり分からなかったのは「腕のびのび」でした。

腕の角度の話はほぼ分かりました。

わからないのは肩甲骨を使うというところで、肩甲骨も使えるよというのは手が延びた感じがして少し分かったけど曲の中で使うとどうなるのか、見たり、曲中で使ってるときと使ってないときの感覚の違いとかやったりしてみたかったです。
目に入った私の左側の方達のうちでも肩甲骨を使えてそうな方と使えてなさそうな(固そうな?)方がいて、難しいのだなあ。私は本当にできてるのかな?と分からなかったです。

※アレクサンダーテクニークの本
読んだもの二冊

◆心と体の不調を解消するアレクサンダー・テクニーク入門 青木紀和著
◆音楽かならだれでも知っておきたい体のこと バーバラ・コナブル著(※この著者情報は引用者・井上が入れました)

2)今後したいこと

腕のびのびとかのこともですが、音楽の中での、曲中でのアレクサンダーテクニークの活かし方を体験したり、見たりしてみたいです。


以上です。

またご希望がありましたら、9月にまた再々々開講しようかと考えています。

いまのところお一人様のご予約をうかがっていますが、もし3人お集まりいただけたら開講する予定ですので、興味のある方はこちらまでお問い合わせ下さい。

*******

過去ログ

・2018/3/7「二胡を楽しむワークショップ:右手編」報告を読む

・2018/8/28「二胡を楽しむワークショップ:右手編」(再開講)報告を読む

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする