《コンテンツ》
●関節1つの動きは曲線・・・?
●曲線+曲線=直線・・・?
●運弓にかかわる関節とその動き
関節1つの動きは曲線・・?
自然界のものには直線がない、と言われています。
いま、梅田のBodyChanceでアレクサンダー・テクニークを学んでいますが、
聞くところによると、ある外国人講師の方は、自分が主催するワークショップで、
会場内にあるすべての直線のものをできるだけ目のつかないところに移動させるそうです
(もちろん限界はあると思いますが)。
さらに考えてみると、自然の動きにも直線が無いのではないでしょうか。
「いやいや、自分の身体はいくらでもまっすぐ動かせるよ」と思われるでしょう。
でも、1つの関節の関節の動きを見てみるとどうでしょうか?
「いやいや、それでもまっすぐ動かせるよ」と思われますか?
例えば人差し指をぴんと立てて、指先を上下に動かします。
自分自身を指さすような角度で上下させると、指先が直線を描くようにみえます。
しかし、横から見ると、指先は扇のような円弧を描いています。
曲線+曲線=直線・・・?
さて、直接二胡にいかず、
ここでちょっと寄り道してみましょう。
例えば、巻き取り式巻き尺を、つつつ~・・・と
右手で引き出す動作を想像してみてください。
(実際にやってみてもいいかもしれません)
どのくらい引き出すか・・・
どっちの方向に引き出すか・・・
それぞれの場合について、
いったい、どことどこの関節を動かしているのでしょうか。
まず、巻き尺を持つまでにもさまざまな動作があるのですが
話がややこしくなるので、すでに左手に巻き尺の本体を、
右手に巻き尺の端っこを持っているとします。
この状態から巻き尺を引き出すのに、主に使う関節として
まず思い浮かぶのは、「肩・腕・手首」の関節かもしれません。
で、「手首」はちょっとおいといて、
「肩・腕」のあたりを、もう少し詳しく見ていきます。
・黒字は骨、赤字は関節。かっこ( )はその部位に含まれない骨。
・★は、いくつかの関節の総称
(胸骨)-胸鎖関節-鎖骨-肩鎖関節-肩甲骨-肩甲上腕関節-上腕骨-★肘関節-前腕骨(2本)
「ん、思てたのと違う」という方や、図(下手なフリーハンドですが)をみたいという方は
本ブログの「腕のはじまり」を参照してください。
運弓にかかわる関節とその動き
二胡の運弓はだいたい直線です。
(だいたい、というのは、正確に言うと、弓の軌跡は微妙に円弧を描くからです)
一方、上記の個々の関節は、おそらく曲線を描いて動きます。
それらを絶妙に組み合わせると、直線の動きを作ることができます。
同じように、肩甲骨と肩甲上腕関節でつながる上腕骨も、曲線を描くように動きます。
上腕骨とつながる前腕骨(正確には尺骨の方)も、曲線を描くように動きます。
前腕骨とつながる手首も、曲線を描くように動きます。
下図は、これらの関節を単独で動かす時の軌跡のイメージです。
左から、胸鎖関節の動き、上腕肩甲関節の内外転の動き、肘関節の動き、手首の動きです。
一方、二胡の運弓の方向は、地面と水平でもなく、垂直でもなく、右斜め前方という微妙な直線になっています。
(二胡の支え方によって決まります。)
そこで、実際の運弓の際には、上記のあちこちの関節で、さまざまな方向・様々な量の動きを、複雑に、かつ絶妙に組み合わせることで、運弓に必要な直線的な動作を作り出しているのです。
もっというと、この動きの方向や比率は、弓を動かすに従って刻一刻と変わっていきます。
こんな複雑なことを、いちいち全ての部分に指令を出して行うのは困難です。
だからこそ、まずは腕がこの複雑な動きを自由に行えるよう、身体の中心軸をうまく整え、身体全体が協調して全体の中の動きとなるようにします。
(これについては、部分を足していくと全体になるわけではない、という趣旨でそのうちブログにまとめる予定です)
この動きが、実際に弓を持つ「手・指」に伝えられます。
これについても、またのちほど。
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直線と曲線
まだこっち見てる。