《コンテンツ》
●まずは段落わけ
●くみたてを考える
●書き出すことの効用
前回2018/1/31の「二胡を楽しむ会」の報告はまだですが、
会のあとに行ったグループレッスンでの一コマを
先にシェアしたいと思います。
というのは、前回の「人前でひく時に考えてみたこと(その3)」の
終わりの文章を、以下のように結んだからです。
これ(引用者注:朗読で使ったイメージを明確にする方法)を音楽に活かしたい。
もっと簡単なバージョンを、二胡のグループレッスンでやってみたのですが、
その結果は、またブログでご報告したいと思います。
なんか、すごくシンプルなことなので
改めてブログで書くのも気がひけますが、
ちょっと面白い変化が見られたので、
興味を持たれた方は、いっしょに遊んでみましょう。
まずは段落わけ
むかし、小学校の国語の授業で、「段落わけ」ってやりませんでした?
文章の内容によって、1つのまとまった文章をいくつかの段落に分けるものです。
音楽にも段落があります。
親切な譜面だったら、「A」とか「B」とか書いてあります。
以下は、劉天華の「練習八」です。
いろんな教本に採用されているのですが、
例えば『二胡を極めよう1』の26頁では、
もとの譜面にない【A】というのが加わっています(赤字)。
この練習曲は、教科書編集者によって
【A】【B】【C】の3つに分けられています。
このような区分けを、とりあえず「段落」と呼びましょう。
楽曲にも練習曲にも段楽があります。
長い音楽にも短い音楽にも段落があります。
譜面によっては、このように【A】【B】【C】
あるいは【一】【二】【三】などと書かれていないものもありますので、
そのときは、自分なりに段落わけします。
ほんとうに、2行くらいしかない小さい曲でも
段落わけをやってみると、面白いですよ。
くみたてを考える
そのあと、別の紙かなんかに、その段落をタテに並べます。
【A】【B】【C】だったら
【A】
【B】
【C】
というように。
それから、その段落の特徴をもとに、音楽全体を
どう組み立てていくかを考えて書いていくのですが、
「よく分からない」という方は、まずは強弱記号に
着目してみましょう。
例えば、『二胡を極めよう:1』の「久しき昔」なら
【A】mp
【B】mf
【C】(途中から)mp
てな感じ。
同じ事を、1/31のグループレッスンの参加者の方々にやっていただきました。
まずは、各段落のそれぞれの強弱の変化を、
おのおの、ホワイトボードに書いてもらいました。
それだけだと、すぐ終わってしまったので、
次に、せっかくだから、強弱だけでなく、
その段落のメロディに込められた「気持ち」とか、
「情景」とか、「イメージ」とかを、
自由に考えて書いていただけますか、
と声を掛けました。
その結果が、以下の写真です。
(画像は加工しています。また掲載にはみなさんの許可をいただいています)
すごい! おもしろい! なんてったって楽しい!
わたしのありきたりなイメージより、
お一人お一人の個性や想像力、曲への思い入れが溢れて、
かけがえのない「設計図」になりました。
さて、お次は、このホワイトボードのくみたてをみながら
お一人ずつ、その曲をソロでひいてもらったのです。
あとで感想をうかがってみると、
正確に一言一句は覚えていないのですが
「いぜんよりイメージが明確になった」
「段落のたびに「こうひこう」という意志が明確になった」
(これって、BodyChanceで大切にしている「望み」と関わってきます)
「こうひこう、というのがハッキリしているから、緊張するヒマがなかった」
(これも、BodyChanceで教えていただいた「代替プラン」と関わってきます)
とかいう感じだったと思います。
誰かがひいている時は他の人は聞き役にまわったのですが、
聞いている人の感想もとても好評でした。
書き出すことの効用
後日、別の個人レッスンの場で、これをやってみました。
すでに何回かレッスンをやっている曲で、場面ごとのくみたては
ある程度、つかんでいらっしゃる状態でした。
それでも、改めて白紙を用意して、
【A】・・・
【B】・・・
【C】・・・
というように、各段落のイメージを書き出してもらって、
そしてそれをみながら演奏していただいたのです。
最後までひいていただいたあと、生徒さんに
「こうやって書き出してひいたらどうでしたか?
曲の流れについては前回のレッスンでもやったので、
とくに変化がないかもかもしれませんが」
とうかがってみたところ、
「やはり、改めて書いたほうがより明確になった」
ということをおっしゃっていたのです。
これは私にとっても、あらたな発見でした。
分かってても書いてみる。
自分の演奏が単調だと悩んでいる方がいらっしゃったら
だまされたとおもって(?)、いちど、やってみてください。
***
フェンスの向こうにうごめくなにかが・・・。
よく見ると、かおと胴体がまんまるのねこ。
これ、飼い猫ではないの?